ヒッタクリフック

最終更新日 2000年01月25日

メガバスのNewフック「カツアゲフック」の効果を考え、
効果を発揮する用途の模索とその欠点を補う「ヒッタクリフック」を紹介します。


  カツアゲフックについて
1999年、メガバスのX80、VIBRATION-Xウルトラの発売と共に導入されたカツアゲフックですが、その目的はとにかく全てのバイトをノセてしまうことです。触れただけで刺すというのがコンセプトだそうです(コンセプトアルバムより)。

しかし実際このフックを搭載したX80を使ってみたところバラシまくりました。
当初、左巻きリールに変えたために右手でのフッキングに慣れないのが原因だと考えていました。
しかし同じ状況でプレデターを使った場合にはあまりバラシませんでした。

このためカツアゲフックって「改良でなく改悪?」と疑問に思い、カツアゲフックについて考えてみました。
カツアゲフック
カツアゲフック
Q1.普通のフックと何が違うのか?。
  • バーブ(カカリ)が外側に設定されています(アウトバーブ)。
  • フック形状が特殊です。普通はU字ですがカツアゲフックはV字といった感じです。さらにフックポイントが若干内側を向いています。
  • 従来のメガバスフックに比べて若干、ワイヤが太いです。
Q2.メリットは?。
刺さりやすくなった。

アウトバーブということとフックポイントが内側を向いているということで刺さりやすくなりました。
フッキング時、釣り師側から引っ張っているため、フックの内側がバスと接触することになります。この内側にバーブがあると、そこに角度ができてしまい抵抗になるわけです。その抵抗をアウトバーブにすることにより、軽減しています(バーブを取り去るわけではないので0にはならない)。

またフックポイントが内側を向いていることについてですが、これも同様にフッキング時にかかる力の方向とフックポイントができるだけ平行に近づくようにフックポイントの角度が設定されているので、フッキング時にフックの内側にかかる力が比較的ダイレクトにフックポイントにかかり、フッキング時の抵抗を更に軽減しています。

ただワイヤが若干太く、バーブも大きめなのでその点で刺さりやすさをロスしています。
Q3.デメリットは?。
バラシやすくなった。

フッキングしたバスは暴れます。首降り、ジャンプなど口に入っている異物を吐き出す努力をします。このとき、釣り師側はもちろん引っ張っているので、バスとの接点はフックの内側ということになります。
この内側にバーブがなければ(アウトバーブ)、当然、すり抜けやすくなりバレる原因となります。

この点をカバーするためにフック下部の頂点がメイン軸よりに設定され、またフックポイントが若干内側を向いていますがとてもカバーしきれていません。
これはルアーの重量(比重)が大きいものほどバレ易いといえます(ルアーのボディがバスの首降りについてこれないため)。

スレガカリが拾えなくなった。

口にかかった場合はメリット通りに刺さりやすいですが、スレガカリの場合は刺さり難いです。スレガカリの場合はフックポイントとボディが垂直に当たることはなく、フックポイントと鋭角に当たります。このため、フックポイントが若干、内側を向いているこの形状ではスレガカリを拾い難いです。

《余談》
よくフックメーカは内側にバーブがある場合、バーブを強く押し当てながらフックが刺さっていくため、バーブでバスの口を切り裂き、バスの口に開いたフック穴が大きくなってしまうことになり、アウトバーブではその穴を小さく留めることができるのでバラシ難くなるといいます。しかしこれはフック穴が大きくなってしまう可能性のある裂けやすい薄皮部にフッキングした場合に限定され、しかもアウトバーブのバラシやすさから考えれば慰め程度の効果しかないように思います。
Q4.どんな用途に向いているのか?。
メリットデメリットを考えると口にさえ入れば刺さりやすく、軽いルアーであればそれほどバレやすくないので、バスが食い損なわず、ルアーを確実に口に入れることのできるリグで、かつ軽いルアーの場合ということになります。

具体的にはタダ巻きのライトプラグ、及びスローアクションのトップウォータプラグ向けということになるでしょう。
まとめ
ということでコンセプトである「触れるだけで刺さる」というのはだいたいはその通りですが一部、間違いです。
ジャークベイトであるX80に初めて搭載されたフックだったので、ジャークベイトに適したフックなのだろうと思いましたが大間違いでしたね。
  ヒッタクリフックについて
カツアゲフックは私にとって期待はずれでした。
確かに刺さりやすいフックといえるので「広告に偽りあり」ではありませんが、ジャークベイトで「触れるだけで刺さる」といえばスレガカリも拾わなきゃね。

ではどうすればスレガカリが拾えるのかを考え、その結果出た形にヒッタクリフックと命名しました(フック形状からいって「餌木フック」といった感じですが、カツアゲフックをもじって命名しました)。

「スレガカリを拾う」というのはジャークベイトやトリッキーアクション時のトップウォータプラグには非常に重要で、これらのルアーにバスがバイトした場合、食い損じるケースが多く、その場合、結果的にボディアタックになります。
このボディアタックをノセるためには低弾性ロッド、低伸度ラインなど対策はありますが、私はフックも重要だと考えます。
このスレがかりを如何に多く拾うかがこの手の釣りの釣果を大きく左右するのでなめてかかれませんね。
ヒッタクリフック
ヒッタクリフック
Q1.普通のフックと何が違うのか?。
基本的に普通のフックです。
ただファインワイヤ(細軸)でフックポイントがスタンダードポイントのものを素材にします。そしてそのフックポイントを若干外側に開きます。ただそれだけです。

《余談》
スタンダードポイントとはフックポイントの形状のことでこれに対してニードルポイントがあります。

スタンダードポイントはヒッタクリフックの画像のように軸の外側がフックポイントの頂点となる普通の形状です。

ニードルポイントは軸の中心がフックポイントの頂点となるフックでがまかつのフックがこれにあたります。
Q2.メリットは?。
フッキング性能抜群。

フックポイントが開いているのでワンランク大きなフックと同じフッキング性能で、さらにファインワイヤのため刺さりやすく、フッキング性能は抜群です。

スレガカリが拾える。

カツアゲフックのところでも書きましたがスレガカリの場合はフックポイントとボディが垂直に当たることはなく、フックポイントと鋭角に当たります。このときフックポイントが開いていると鋭角の角度が和らぐのでスレガカリを拾いやすくなります。スタンダードポイントのフックを素材とするのも同じ理由です。そしてさらにファインワイヤのため刺さり難い箇所でも刺さりやすくなっています
Q3.デメリットは?。
バラシやすい。

フックポイントを開くので当然バラシやすくなります。これは仕方がないのでランディングでカバーします。スレガカリを拾えないより、拾った後バレやすいのを何とかカバーするという考えです。
ただ実際それほどバレないのでバーブまで入ってしまえば関係ないかもしれません。

デカバスに伸されやすい。

これもフックポイントを開く副作用です。またファインワイヤなので余計伸されやすいです。ただデカバスが来ることは滅多にないので、そんなことを心配していても意味ないですね。伸されたらそれから対策します。実際伸されたわけではないので、伸されるとも限りませんしね。
Q4.どんな用途に向いているのか?。
当然、目的であるジャークベイトトリッキーアクション時のトップウォータプラグに向いています。ただ、口にかかることがほとんどであれば普通のフックに戻した方がいいですね。ペンチ一つで簡単に戻せますから。
Q5.どんなフックが素材として適しているか?。
このフックの素材ですが、エバグリやラッキークラフトの純正フックは安っぽいですが、細軸なのでそのまま開いて使用してOKです。

私の知る限りではなかなかこのヒッタクリフックの素材として適当な別売フックがなく、今のところDUEL社のスタンダードポイントフックが最適ではないかと思っています。
DUEL社スタンダードポイントフック
DUEL社スタンダードポイントフック
まとめ
ということでコンセプトである「スレガカリを拾う」といえるフックではないかと自負しています。
  総括
上記のようにそれぞれが長所、短所を持っているので、いつでもどこでもこのフックというわけにはいきません。ノーマルフックにも平均的という長所があるのでそれぞれ使い分けが必要です。

私的には従来のノーマルメガバスフックに不満がないので(というかその方が良い)、レギュラーアクション系は手をつけず、イレギュラーアクション系のみ一部ヒッタクリフック仕様に変更しています。カツアゲフックはもう少し使ってみようと思っています。良い結果が出なければヒッタクリフック仕様に交換ですね。
他メーカのものもヒッタクリフック仕様にするのはペンチ1本で簡単にできますので、イレギュラーアクション系は一部(C.C.プレデターなど)、ヒッタクリフック仕様にしています。

皆さんも是非一度お試しください。C.C.プレデターはノーマルフックでヒッタクリフック仕様にできますので、お勧めです。

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