深山烏さん |
バリウス F300 |
- | 2004/02/01 |
- | ★★★★★ |
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F300のスペクトルモデル。次に購入する予定のF5-66Xにセットするために買ったリールであるが、まだF5-66Xは手に入っていないので、重めのルアーがメインの時にF4-64TXにセットして使っている。と、書いていたのだが、次に買ったロッドはF4st-61XSであったし、購入予定のF5-66Xはバンダースナッチにスイッチする見込みである(へっぽこ無節操)。扱うルアーはジグロッドにセットして、ジグやテキサス、大型ミノー(ジャークメイン)になる予定。現在ラインはDUELのX-TEX COBRA(14lb)でセッティング。ジグメインになったら、ピュアフロロを巻くと思う。 |
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大き目のリールだがパーミング性は悪くない。ミリオネアと比べるとやや無骨な感じもするが、これはこれで、違った指向性の美しさでよい。フライングアームブレーキやシャフトレススプールなど、他社にはない独自技術もヲタク心を擽る。巻ごこちに関しては、当初はもう一つだったのだが、使っていくうちにかなり良くなった。扱いやすさに関しては、ダイワの高クラスリールの後塵を拝しているが、半値で2万円台前半で買えた事を考えれば、文句なしである。フレーム剛性はかなりの物であるし、重めのルアーだとかなり遠投が利く。 |
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「ジグロッドにセットして、ジグをメインに使うということを考えると、ピッチングのしやすいリールでないといけないな」と考え、その前提の下、「そういう用途だと、マグじゃなくて、遠心だよな」と考えた結果、候補としては、アンタレスやコンクエストが上がった。しかし、はっきり言って、そんな誰にでもチヤホヤされているようなリールは死んでも使いたくない、という天邪鬼な性格の影響でたどり着いたのが、外部調整が可能な遠心ブレーキシステムを搭載した、バリウスのFモデルだった(リトリーブしなくてもクラッチを戻せる機能があるのも、ジグを使う上では良いと思った)。 当初はF200を購入する予定であったが、現物を見たら、F200は思ったよりかなり小さいということが分かり、F300にすることにした。そんなこんなで、地元のショップを回っていたら、ある釣具店のリールコーナーの最下層で、F300のスペクトルモデルが、半値で所在無さげにポツリと佇んでるのを発見し、ハートに火が付いた(ちなみに、どーでもいいことだが、夏の$袋とクレジットカード作成を記念しての買い物であった)。 ただ、このリール、重厚な外見とは裏腹に、なかなかにじゃじゃ馬である。外部調節可能なフライングアームブレーキは素晴らしいが、ピーキーで、扱いこなすためには、サミングが絶対必要なスキルとなる。風が強い日だと、キャストが相当デンジャラスな物になる。メーカーの解説だと、フライングアームブレーキはショートディスタンスにおける正確さがウリだということだったので、遠投性能はあまり期待していなかったのだが、これがなかなかの物で、ウルトラが50m程度は飛んだので、目が点になった。嬉しい誤算ではある。また、オーバーハングの下にねじ込むような釣りには、非常に適合性の高いシステムでもある。 さらに、このリールを構成しているパーツは凝っている。サイドプレートはチタン。フレームはアルミ鍛造マシンカット。スプールは超々ジェラルミン、レベルワインドはステンレスと、まるで、航空機のようなエンジニアリングである。また特に気に入っているのがクラッチで、アルミの鍛造品を磨き上げてある。今まで見てきたリールのクラッチの中で、これが一番美しい。 モデル名スペクトルの由来は、サイドプレートがチタン蒸着で、玉虫色に輝いていることからで、内部メカが通常モデルと異なっているわけではないが、某コラボシリーズとは違い、派手ではあるが、自然な派手さ(?)でよい。個人的にはもっとシアン系の輝きだと良かったのだが、まぁ良しとする。 フライングアームブレーキは、小さな金属製のアームが遠心力でせり上がり、プレートに設けられたブレーキリングに接触するのをブレーキ力とするシステムであり、それゆえにメンテナンスには、気を使わなくてならない。実際にトラブルは起きていないが、リングへの注油を怠れば、摩擦でブレーキアームがすぐにダメになるだろう。 遠心ブレーキでも、シマノのSVSがリール正面から向かってy軸方向への力を利用するのに対し、フライングアームブレーキは軸への力を利用するのが面白いところである。また、サイドプレート内に設けたリングを可動させ、遠心ブレーキのブレーキ力を制御するという設計思想は、後にコストパフォーマンスモデルとして市場を席巻したスコーピオン1000の4×4SVSに少なからず影響を与えたと思われる。 フライングアームブレーキもシャフトレススプールもまだまだ煮詰める余地があるように思える。そういえば、キャスプロのツインブレーキも良かった。ダイワやシマノとはまた異なる独自技術をもったメーカーだったので、リョービが釣具事業から撤退したのは実に惜しいことだと思う。バリウスは重いだけありフレーム剛性は相当のものだが、万が一トラブルが発生したときのアフターケアのみが、今のところ唯一の不安である。 このリールは、プロ野球といえばロ○テマリーンズ(日○ムでも可)、誰がト○タやホ○ダなんぞに乗るか、富士○工(マ○ダでも可)にきまっとるだろうが、ビールはサッ○ロ、などなど、世の一般大衆の普遍的嗜好性なんぞクソ喰らえという、マイノリティーであることを自らのアイデンティティとしている、右向け左な孤高のバサーにお薦めしたい。また、事実上半値近くで売られているのがほとんどだと思われるので、マグネットモデルは、丸型入門にお薦め・・・かもしれない(使ったことはないので断定はできない)。
そのうちM300も購入したいと思っている。現在、手持ちのリールの中では、一番のお気に入りである。 内容微修正。ver1.01 2004/2/1 |