素材

最終更新日 1999年12月09日

釣りに関係のある各種アイテムに使われいている素材について私の知る限りで解説します。
機能性を重視し、できるだけ品質の良いものを使うことは釣果アップにも貢献できるはず。
購入の際に参考にしていただけたら幸いです。


  フリース素材
フリースは軽くて暖かく、とても着心地がよいですね。
このフリースには釣り師(及びアウトドアラー)でなくてもお世話になっている方も多いのではないでしょうか。
コラムに書いたところ釣りとは関係ない友人からも反響があったので、もう少し突っ込んで解説します。
項目 説明
ポーラーテック ポーラーテックとはマルデンミルズ社が開発した素材で、軽くて暖かく、良く伸び、早く乾き、洗っても毛玉になりにくい大変いい素材です(ただ静電気がひどいという欠点もあります)。
この素材を使ったものには必ず商品のタグとは別にポーラーテックのタグがついています。
一口にポーラーテックといっても目的毎にいくつか種類があり、タグにその種類、及び説明が記載されています。種類は素材の厚さ(薄い方から100, 200, 300)と機能の組み合わせで構成されます。

素材の厚さは重要ですが、機能的にはそれほどこだわる必要はありません。フリースをごく普通(インナーウェアとして)に使うのであれば、200 Seriesが価格も安く、お勧めです。
ちなみに価格を考えなければフリースとして一番良いものは300 BiPolarだと思いますが、アウター向けの商品が多いですね。

各種類の簡単な説明はこちらです。
アルマデュラ ノースフェースのフリース素材です。
単にポーラーテックをアルマデュラと呼んでいるだけのように思います。

ノースフェースは値段が高いですが、通常の使用状況で故障した場合、修理してもらえるものがあります。品質に絶対の自信を持っていますので安心して買うことができます。ただし、これはゴールドウィン社の扱っている正規のものに限ります。直輸入物はその限りではありません。
モンベル固有の素材
(CLIMAPLUS)
モンベルはポーラーテックも使用していますが、自社開発した素材(CLIMAPLUS)も使用しています。
自社開発の素材の方はポーラーテックと比べて伸びが悪く、着心地が悪いです。ポーラーテックのものに比べて値段が安いので、コストパフォーマンスを追求した結果だと思います。

誤解のないようにいっておきますが、モンベルは品質的にも大変良いメーカで私のお気に入りメーカの一つです。いただけないのはこの自社開発の素材だけなので、そのところをお間違えのないようにお願いします。
アウトドアメーカの素材 上記以外のアウトドアメーカのフリース素材は確認が取れていません。
デザイン的に気に入ってどうしてもポーラテックでないものが欲しい場合は次の点に注意してください。
ポーラテックを使った他のアウトドアメーカの同じタイプのものと比較して価格が大幅に安いものは信用できません。避けた方が良いでしょう。

これはポーラテックを使うと素材にコストがかかるため、コストを少しでも抑えるためにポーラテックに近い機能を持ったローコストな素材を自社で開発するためです。
その他のフリース デザインだけがフリースといった感じですね。いってみれば「なんちゃってフリース」です。
基本的に伸びが悪いため着心地が悪く、洗うとすぐ毛玉ができます。
保温性も期待できず、フリースとして役に立つかは疑問です。
  小物用(帽子&手袋など)素材
小物といっても色々あります。帽子、グローブ、マフラーなどなどありますが、取りあえず一括りに紹介します。無理が出てきましたらジャンル分けします。
項目 説明
ポーラーテック 帽子や手袋やマフラーなどで良く使われます。
これらの用途の場合は伸びや重さが気にならないため、300クラスがお勧めです。ただ、釣りには向きません。指先は切れてないし、コルクグリップの場合、ロッドを落としかねません。
スキーなどのアウトドアや街中用として最適ではないでしょうか。
ただポーラーテックは風を通すという欠点もあり、用途によりますが手袋では気になるところではあります。

各種類の簡単な説明はこちらです。
シンサレート 住友3M社が開発した素材。見た目は普通の布のような感じですが、信じ難いほど風を通さず、暖かいです。
ただ、この素材がメイン素材として構成されることはなく、ほとんどの場合、裏地として使われます。
釣り以外の水に濡れない用途にはこの裏地は最適で、超お勧めです。

ちなみにこの素材は宇宙服用に開発されたものらしいです。
ネオプレーン 釣り用の手袋、ウェーダー、ロッドベルト、スポーツメーカのサンダルなどの水に濡れる用途や、カメラポーチなどのショック吸収を求められる用途で幅広く使われます。
水を遮断し、滑りにくく、良く伸び、ショック吸収性もあり、非常に優れた素材です。
釣り用の手袋としては最適ではないでしょうか。

余談ですがスポーツメーカのサンダルを買う場合、肌に触れる部分にこの素材を使用したものを買うことをお勧めします。
ベルトやプラスチック部がそのまま足に触れるものの場合、濡れたときにふやけて弱くなった皮膚を傷めることがあり、ひどいものは痛くて履いていられません。
  レインウェア素材
雨の釣行時にはこれに問題があると釣りどころではないほど大切なものですね。
これだけは妥協なしでお金をかけたいものです。快適なレインウェアを持っていれば雨の日の釣行も苦にならず、逆に人が少なく魚の活性が上がることを喜ぶくらいになります。

レインウェアの求められる性能として以下のものがあります。
防水性 水を通さない性能。
透湿性 蒸発した汗を逃がす性能。
撥水性 水滴を表面で弾く性能。

この内、透湿性と撥水性は密接な関係にあります。
いくら透湿性能が高い良い素材でも撥水性能が悪く、生地表面に水が張り付いてしまうようだと、素材の通気口を塞いでしまい、透湿性が失われてしまいます。その意味で透湿性と撥水性はセットで考える必要があります。

このような点を考慮するとレインウェアの素材としては一握りのものしか満足いくものはありません。
以下にタイプ別の代表的なものを紹介します。

項目 説明
ゴアテックス 言わずとしれたレインウェア素材の筆頭。多孔質タイプで透湿性に優れた素材です(耐久性と目詰まりに弱点)。
3レイヤーのものが耐水圧も高く、釣りには最適です。私はノースフェースのこの素材のものを使用しています。全ての性能が高次元でクリアされています。

ゴアテックスの性能を長持ちさせるコツは普通の服同様の頻度で洗濯することだそうです。
そのときの注意点が2つあり、1つは液体洗剤を使わず(なかなか濯ぎきれず、通気口を塞ぐ原因になる)、粉末洗剤、またはゴアテックス専用洗剤を使うことで、もう1つは手洗いまたは洗濯機の弱モードで洗濯すること(ゴアテックスは摩擦に弱いため)だそうです。
これらの注意点を守っていればその性能をいつまでも提供しつづけてくれます。
ダーミザクス 無孔質タイプなので目詰まりもなく、耐久性に優れた素材です。
耐久性はバス釣り師には魅力ですね。
実際使ったことがないのでなんとも言えないのですが、実際に生地を見ると確かに耐久性は高そうに感じます。しかし生地表面がザラついているので撥水性能を保つには防水スプレーが必須ではないかと心配になります。耐久性は魅力ですので一度使ってみたいものです。
エントラント コーティングタイプの素材で透湿性が他のタイプに劣ります。ただ値段が比較的安いためコストパフォーマンスに優れています。
こちらも使ったことはありませんが、安売り時のゴアテックスとそれ程金額に差がないので、これよりはゴアテックスをお勧めします。

補足ですが釣り用に考えた場合、袖口がネオプレーンでできているものが良いです。そうでないと袖口から水が伝わって内部に侵入します。この機能のレインウェアは釣り用に設計されたものに限定されてしまいますが、その部分のみ別商品として売っていますのでそれで代用できます。私もそれを利用しています。
また、ズボンがサスペンダー仕様のものも良し悪しです。私は肩が凝るので嫌いです。
それから、たたんだ時にコンパクトになるものもありがたいです。コンパクトだと邪魔にならず、常備できるため、天気予報が外れたときや突然の雨にも対応できます。

  アンダーウェア素材
アンダーウェア素材についてはあまり詳しくありません。
項目 説明
ソフテックダクロン デュポン社が開発したアンダーウェア用の素材で、アンダーウェア用の素材として私が唯一使ったことがある素材です。
着ている感じがない程軽く、それでいてかなり暖かいです。伸びもあり着心地の悪さも感じません。
これを着てみてアンダーウェアもこだわる必要があると感じました。
ポーラテック ポーラーテックにもアンダーウェア用の素材があります。使用したことはありませんが、参考までに。

各種類の簡単な説明はこちらです。
  アウターウェア素材
今現在、ほとんどこだわり持っていません。釣行時は一度湖上へ出てしまえば汗が出るほど動かないし、暑ければ脱げば良いので透湿性も気にしません。
私はインナーを取り外すことのできるアウトドアメーカのものをインナーを取り外して着ています。
そしてインナーにはポーラテックのものを季節により、種類を変えて着ています。
項目 説明
ポーラーテック ポーラーテックにもアウターウェア用の素材があります。使用したことはありませんが、参考までに。

各種類の簡単な説明はこちらです。

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