出山利三郎さん |
ルビアス 12シリーズ |
25年以上 | 2013/11/12 |
□□□□□ | ★★★ |
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2004Hを、ボートからのバス釣りにて、スピニングフィネス全般。主に3ポンドフロロカーボンライン使用。 |
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・デザイン 渋い配色。
・巻取りが早い ハイギヤの恩恵。
・巻き取り形状がいい スペーサーや下巻き糸での調整不要
・ハンドルノブのガタが少ない 同じ形状なのに改良されている。
・巻き心地 昔のダイワリールに比べれば、シルキー?
・まずまずの販売価格 セール時には2万円台前半で買える。 |
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・ベアリングの入れどころ ハンドルノブや、スプールシャフトが「カラー」で済まされているのは残念。
・スプールのカーボン状装飾部位周辺の金属パーツ 格好はいいいが、カーボン状リングの上下、つまりエアスプール下端を補強しているシャンパンゴールドの金属リングが問題。かなりエッジが立っている。爪をこすったら削れるレベル。 万が一にも、スーパーライトラインがこすれたり巻き付いたりしたら、傷がつく原因にもなりかねない。このような危険性がゼロでない限り、格好つけたデザインよりも、安全性を重視すべき。 TD-Z系〜イグニスまでの、滑らかな絞込みを継承しないのはなぜだ。
・エアローターへの糸絡み これは、思った以上にあり、問題だ。 具体的には、アワセミスをしてルアーが飛んできた時や、ラインのヨレを取るためベールをおこし糸を引き出している時など、リール〜バットガイド間の糸が完全ノーテンションになっている時に起こる。 絡むのは、アーチではなく、「ラインローラーのアームを支えている部位と、反対側のベールアームエンド金属部を支えているローターの下部張り出し」。画像がないので表現がわかりにくく申し訳ないが、スプールから垂れた糸を引っ張ろうとすると、かなりの頻度でここに引っかかる。 この部位の下端が、スプールを上にした状態でみると、下側に向かいオーバーハングしているのが致命的な問題だと思う。つまり、通常のリールならローターが横から見ると「凹」形なわけだが、エアローターは、大袈裟に言うと「H」形になっている。これがマズイ。 しかも、マグシールドと、エアローターとの間に、結構隙間があるので、引っ掛けたまま巻いたりすると、厄介なことになる。 さらに、私の場合、ドラグが間に合わないような魚が来た場合は、クラッチOFFにして逆転でやり取りする。まだこのリールでは経験してはいないが、このときも、かなり糸がふける場合がある。非常に心配である。 磯用LBモデルの新型に、エアローターが採用されないのは、絡むことをわかってのことなのか・・・。
・一体成型のハンドルアームが重たい アルミ一体成型で、取り付け部のガタはなく、剛性も高いが、なにしろ重たい。 リーリングの釣りでは問題ないが、シェイク中心の釣りでは、ハンドルが勝手に回る。ハイギヤならその弊害はなおさら。 相当重要な部分だけに、イグニスやTD-Zみたいに、ザイオンかマグネシウムの軽いものにしてほしかった。 最近はメーカー問わず、一体成型のねじ込みハンドルが多いが、上述したように、急激な突っ込みを、クラッチオフの逆転でいなす人にとっては、ハンドルが緩む危険性と常に隣りあわせである。緩んでいることに気づかず、最悪水没も今後あるかも。 あと、折りたたみ式が見直されてもいいと思う。 なぜなら、私のように、ローボートにスピニングタックルを大量に持ちこむ人は、準備・移動時や片付け時にロッドを束ねる際に、ハンドルが折りたためるかどうかで、相当収納スペースに差が出るから。これは切実な問題。(最近のフリッピングロッドがフェンウィックとノリーズ以外はテレスコでなく並み継ぎになっているのと同じような問題。)みんなバスボートでやるわけではないので、現場のことをもっと考えて作ってほしい。 折りたたみ式ハンドルのガタも、TD-ZタイプR+以降は、絶妙なスペーサーのおかげで、ほとんど気になることはない。
・ドラグの安定性がイマイチ これはまだ3ヶ月しか使っていないから、単純にグリスがなじんでいないのかもしれない。 具体的には、アワセ重視で強めに設定した場合、ちょっとした突込みでもかなり「危ない」場面がある。10年以上使用しているTD-Z、Xなどは、かなり強めの設定でも、その後の突っ込みに追従してくれ、「危ない」場面はほとんどない。この差異が大きいので、余計にそう感じる。
・ドラグ音が大きい ドラグ音が自分にしか聞こえないTD-ZタイプR+や初代イグニスが好きな私にとっては、12ルビアスの音は下品だ。 シマノやフルーガーのドラグは、クリッカーを物理的に外せば、無音にできるが、ダイワの場合、クリッカーとそれを支える台座自体が、構造上スプールの支持安定性に一役買っているように見える。クリッカーのC型板バネを曲げるなどすれば、音質が変わるのかもしれないが、怖くてできない。もし、クリッカーを外しても問題なく使用している方がいらしたら、コメントください。 |
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以上、使用3ヶ月、釣行日数20日ほどの印象を述べました。 インプレでは、良いところ、気に入っているところはもちろんのこと、悪いところ、気に入らないところ、気になるところを敢えて挙げるように心がけました。
気に入っていて、悪いところがなく星5つの場合、おそらく「惚れている」のと同じなので、悪いところが見えなかったり気にならない場合があると思います。でも、冷静になって探せば、何かしらの悪いところや、旧型のほうがよかったところなどが見えてきます。釣りショーや、店舗では、悪いところなんて絶対言われないし、店員が全部使っているわけではないので、ここでは敢えてしっかりと原因を考えた酷評をして、まじめに購入を考えている人の参考にしていただきたいと思います。
さて、このリールの購入当初の目的は、「ディープの釣りにおいて、ハイギヤにすることで巻きアワセ成功率を向上させる」という非常に単純なものでした。 その意味では、目的は完全に達成されました。ギヤ比を変えただけで、ここまで釣れるのか、と驚いています。半掛かりでも思い切り巻いて掛けることができるようになったのは、本当に大きいです。
ただ、スペックを気にされる人はご存知の通り、ノーマルギヤの2506と、ハイギヤの2004Hでは、ハンドル1回転あたり、せいぜい3cmほどしか差がありません。私が使用しているTD-Z2506Cが72cm/1回転に対し、12ルビアス2004Hは、75cm/1回転です。(糸をパンパンに巻かないので、実際はもう少し少ないでしょうが)
では、2506で十分じゃないか、と思っていたのですが、そうはいかなかったのです。リールの番手とロッドとの相性に加え、理由はおそらく加速と最高速の関係だと思います。 ノーマルギヤで、大きいスプールに巻くのと、ハイギヤで、小さいスプールに巻くのとでは、停止時からの加速と最高速までへの達し方、その後の速度維持の特性が、かなり違うのだと思います。私の場合、後者が断然合っていました。ちなみに2506のハイギヤは、重すぎるので却下しました。 要は小径スプールのハイギヤ。これだけです。これだけで満足です。
でも上述したように、駄目だしをしたら、出てきますよ、ということです。 ただ、皆さん誤解しているかもしれませんが、ラインのヨレに関しては、10年以上前のTD-Z、Xと比べても、大差はありません。(12ルビアスのほうがラインローラー径は多少大きくなってはいますが) 当時のTB2とABSが十分完成域に達していたことと、裏を返すと糸は必ずヨレるということです。 特にフロロラインは、何をどうしようと、絶対すぐにヨレてきます。新品の超高級完全平行巻きラインを買って巻いても、1週間置いたら、少し下の部分はつぶれてきますし、トーナメントのプラなどで3日間ほどマジで使えば、徐々にコーティングははがれ、糸すべりが悪くなったり、糸が鳴くようになります。そういうもんなんです。
よく、糸ヨレをリールのせいにする人がいますが、ラインローラーベアリングの寿命でない限り、それは間違いだと思います。最近の2万円程度のリールで、糸ヨレをするのは、使い方の問題でしょう。 適切な巻き方でボビンから巻いているか、使用中にヨレない糸捌きをしているか、使用後に少し切っているか、使用前に伸ばしてヨレを取っているか、コーティング剤を吹いているかなどなど。特に、ノーシンカーやドロップショットなどはヨレは顕著です。 ですので、糸ヨレに関しては、劇的な変化は求めませんでした。 今でも、12ルビアスとともに、10以上前のTD-Z、Xをデッキに並べますが、どちらも何も問題なく活躍してくれます。そう考えたら、この10年間のスピニングの進化とは、一体何だったのか?と思います。 昔のリールのほうが、ローターも軽いし、スプールもシンプルで、ハンドルも軽い、しつこいようですがハイギヤだけの違いです。
さて、今後ですが、ベアリングの追加、カーボンハンドルへの変換、ノブの軽量化などを考えています・・・が、そんなことをするのなら、もう一台買ったほうがいいのかもしれません。 これを買うときに相当悩んだ13イージス1003RHが、ルビアスとどれくらいの差があるのかも気になりますし、来年出るであろうアブ・レボ・ネオス2000SH・STUDIOUSモデルも非常に気になります。
また、酷使して劣化や大きなトラブルなどが出てきたら、更新します。 |