JONさん |
アンタレス AR |
30年以上 | 2014/03/04 |
■■■■■ | ★★★★★ |
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レフトハンドルを3台所有。用途は問わず、何にでも。
特殊なスペックは持って無いが、それ故にすべての釣りにおいて90%の満足度が得られるリール。中途半端にも思えるギア比と、34ミリ軽量スプールがこれを可能にしている。1/4OZ〜1OZ超のプラグ・スピナベ、ノーシンカーワーム〜1OZテキサス・ラバージグまで。この1台で殆どすべてのベイトの釣りを高い質で展開しきれるところに、ARの存在意義がある。
ただ、1/4未満の超ライト系のみコンク51を2台使用。これにより、範囲95%のベイトの釣りを90〜95%の満足度でカバー出来る。 |
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今まで出会ったリールの中で、もっとも完成度が高いと思っている。遠心システム、各所パーツ構成が熟成された、究極のアナログベイトリール。発表からかなりの年月が経つが、私にとって、これを超えるリールはまだ出てきてない。
剛性、精度、基本性能の高さ、そして洗練されたデザイン。特に剛性については大げさともいえる程のもので、非常に贅沢なパーツが随所に使用されている。アンタレス系のカッ飛び感と、コンク系の巻き上げトルク感、そしてメタニウム系のオールラウンド性能。すべての優れた所をを兼ね備えている。
唯一重さが欠点と言われることが多いようだが、少なくとも私は殆ど気にならない。それどころか、この重さが重厚感が感じられて好感が持てる。ベイトリールに関しては、200G〜250Gに収まっていれば問題は無い。ただ、欲を言えば、剛性はそのままで210から220グラムくらいにまで軽ければと、長時間の釣りにおいては思う時もある。
あと、細かい点で、ここは優れてると思った点。
・まず、SVSのフタが一瞬で確実に開閉できること。 07メタに採用されている下部つまみ式は、どうもなじめない。デザイン的にもサイドフリップつまみがあったほうがアクセントになってて格好いい。スコXTやアルデバランになって戻ったが、正解だと思う。
・上部が大きく開いているのにも関わらず、親指をしっかり乗せれてパーミングしやすい。 上が大きく開いていると、レフトハンドル派の私としては、ツーフィンガーでキャスト後すぐにパーミングに入れて都合が非常にいい。それでいて親指を置く場所もしっかり確保されている。
・こっそり内部は上級パーツが使用されている。 定価5万のリールですから当然といえば当然だが、その当時としては最高のパーツがふんだんに使われている。たとえば、超高強度真鋳ギア、軽量SVS、ツバ厚0.3ミリの超超ジュラルミン製ブランキングGフリースプール。カタログの詳細スペック表で07メタマグや00コンクエスト等、ほかのリールと比較してみれば、いかにARが別格扱いされているかが分かるだろう。 今となってはは普通だが、「当時としてはそういういたれりつくせり扱いのリール」を持っているということこそが満足なのである。往年の名器、ヴィンテージリールにもどこか通ずる所有感がある。
・中古市場でも殆ど相場が落ちてない。 理由は簡単、一部、私のような熱烈な支持者がいてまだまだ人気が衰えてないから。発表は2004年だったと思うが、7年経っても出始めた時の相場と殆ど変わっていない。後継機が発表されていないのが一番の原因であろうが、ここまでプレミアム感が衰えないリールも珍しい。しかも、もう既にARを数台持ってる人が資金が出来次第さらに買い足ししているケースが多い。人気が無いようで実は有る?不思議なリール。 |
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糸巻量。これに尽きる。 決して最初から付いてるスプールの糸巻き量がだめだといっているのではないが、この一手しかないので融通が全く利かない。 07メタマグのように深溝タイプをスペアで出して欲しかったが、廃盤になりかけのリールなのでもう100%無理であろう。
あと、細かい点を、何点か。
・まず、ハンドルノブの材質。シマノはこのベタつきノブを何故長期間放置しているのだろう。
・キャスコンのクリック。あれがついてると結局微調整ができない。子供だまし的な余計なものは付けないで欲しい。
・ハンドルに関しては私は純正ハンドルの長さは使いやすいと思う。ただ、パワーフィッシング用の一台だけ85ミリのロングタイプを移植して使っている。 |
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シマノはDCシリーズにドンドンシフトしているが、至上最高の遠心ブレーキリールである「AR」をこの世から消滅させてしまうことはナンセンス。
シマノへの要望。 SVSがついた最高級機は是非今後とも出し続けて欲しいと思う。
↓ ↓ ↓ このインプレから3年経った。 相変わらずARへの私の愛は不変。シンプルイズベスト。
市場を賑わす新モデルに採用されたブレーキシステム、SVSインフィニティはブレーキの微調整を外から出来ることが利点のようだが、私が望んだ進化では無かった。ブレーキ調整に1日明け暮れ、数十センチの飛距離を伸ばすことに興味のある人には意味があることなのかもしれないが・・・。
ボート上において360度ランダムに吹き荒れる風への対応は高精度メカニカルで一発調整出来るよう指に覚え込ませる。あとはサミングで微調整。ワンキャストでポイントに入れなければならない。ボートは常に動いている。この状況下でダイヤルやブロックを調整しながら投げ直す時間なんて無い。SVSを触るのは、飛行特性が大きく異なるルアーチェンジをしたときのみ。テキサスのピッチングは1個、シャッドは2個、といった程度のザックリ調整で十分。 私は今も昔も何も変わらない。
アンタレスのみならず、シマノのベイトリールがすべて私が望まない道を辿っていっていることに一抹の寂しさを感じる。
一方、アンタレスARは。 頑丈、高精度、単純明快、オールマイティ。世に出てから10年が経った現在でも色褪せず、鈍い光を放ち続ける美しきガンメタルカラー。使い込む程しっくり手に馴染んで行くコンパクト&グラマラスボディ。
やはりアンタレスARは私にとって、ABU2500C以来の最高のベイトリール。
シマノに望むこと。 子供だまし的なお遊び機構はやめて。本当の釣り好きを満足させる、基本性能の深化を目指した往年の名機を誕生させてください。
具体的に。
・200〜210グラム位まで軽量化。但しボディ剛性は絶対に落とさない。
・内部ギアの強化。ダイワのハイパーデジギアみたいなもの。巻き心地は多少なら下がっても構わない。初期性能が落ちにくいギアであることが最も重要。
・ギア比は6.3:1の一本で。このギア比が最もオールマイティーに使えると思う。あれやこれや出さない。
・ハンドル周りを現行仕様に。ARの小ネジ2個で留めるやり方はよくなかった。
・防水性能の強化。海でもさらに使えるリールに。
・スプールの軽量化と剛性化。糸巻き量のバリエーションも増やしてほしい。スプールの種類はいくら増えても大歓迎。
・外観はほぼ今のままでよい。というか、あまり変えてはいけない。シンプルでありながら一目見てアンタレスARと分かるデザインを守っていく。一つ言えば、あのタングステンカラーは素晴らしい。AR専用カラーにして守っていく。 子供のオモチャみたいなデザインは勘弁してほしい。
・SVSは微調整に対する改良よりも、コマの出し入れのしやすさや、水の回りにくさにこだわってほしい。今のまま6本軸があって複数のコマを組み合わせておけば、充分な微調整が出来る。
・メカニカルブレーキの大型化、さらなる微調整が出来るよう改良。 ベイトはメカニカルブレーキが重要。ウソだと思うなら田辺さんのホンネを聞いてみよ。フィッシングショーで新製品が出るたびに、田辺さんに苦しいトークをさせないであげてほしい。聞いていて胸が痛くなる。 |