まぐろ丼さん |
デストロイヤ F4-66X |
15年以上 | 2009/11/06 |
■□□□□ | ★★★★★ |
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巻物での計り知れないバーサタイル性を発揮する一本。 |
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初代F4-66x・・・名竿だけが放つことを許されたその誇れはまさしく伝統ある日本刀の如し。 この竿に期待するのは、感度や使用感といったあまりに陳腐で浅はかな実用性などではない。 なぜなら、この一竿はバスロッドなどという商業用品の枠を遥かに超えた処に存在する、一人の芸術家が生んだArt(アート)なのだから・・・ 確かに前衛的なアーティストが生んできた芸術品というものは古来から、理解され難く、多くの非難や罵倒といったものを生んできた。 だが、しかし、本物というものはそれをも受け入れてしまう。それ故に、その器こそが後の世代に「名作!」と言わしめるのだということ。 伊東由樹という芸術家の感性はまさに、そこを目指していたとこの竿で私は確信した。 |
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短所と長所は表裏一体という普遍の真理を皆、ご存知だろうか? この竿で言われる「重い」だとか「ダルイ」といった短所は、そのままファーストムービングルアーのノリの良さや操作性に繋がる。 故に、一概に、絶対に短所だと言い切れる部分はあり得ない。 |
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巻物全般に本当にバーサタイルに対応してくれる。 商業主義に走り、時代の最先端を目指そうとすると、それがかえって非前衛的になってしまうジレンマは他社の竿が教えてくれる。 バスフィッシングの巻物に求められる真にベーシックな性能とは何か。 そして、「作品」というものを真に追求することとはどういうことか。 全ては、使えばわかる。 遠州灘の一人の芸術家が、現代の迷える子羊達に残した、世紀の名刀。 その出来に、言葉は追いつかない。 |