深山烏さん |
Bait-X コンセプト |
- | 2004/11/16 |
- | ★★★★★ |
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ロングキャストし、1.5〜3m程度のハードボトムをじっくりスローに這わせる。使用する水質はマッディー〜強ステインがメイン。設計者は意図していないようだが、ウィードボトムでハングオフカットに用いたりもしている。その場合以外は、ロッドワークは基本的に用いない。いずれにせよ、リトリーブはかなりスロー目である(スローな中でもリトリーブの緩急はつける)。 |
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タングステンを用いた重心移動システムで優れたキャスタビリティを誇る(使用領域のかぶるDEEP-X100より上)。エラ周りの造形が非常に美しく気に入っている。 |
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かつて、Megabass社のインジェクション製品の黎明期に発表され、後に廃盤となったBAIT-Xのコンセプトを新規設計で甦らせたとされるシャッドライクなダイビングベイト。久々にDEEP-X型の多目的重心移動システムを用いて、2002年に発売された。
○メカニズム解析 外観などから、DEEP-X100とキャラクターが相似しているのではないか、と言われる事もあるモデルであるが、こちらはよりナチュラルアクション寄りである。リップに設けられたホールによって常に水を掴むので、トゥイッチやジャークはおろか、ボトムノックによるオートマティックなイレギュラーアクションもあまり期待できない(尤も、シャローで使うなら話は別だが)。 内部の重心移動システムは、DEEP-X100をより先鋭化させた感じで、タングステンウェイトの一挙稼動で、重心マスを後部に移行させ優れたキャスタビリティを実現している。また、潜行性能もDEEP-Xシリーズと同様にとても良い。 腹部のスペースにインサートされているラトルはジャラジャラとDEEP-X100よりも五月蝿い設定である。このルアーの開発テストフィールドのメインとなったのが八郎潟と聞いているので、マッディフィールドでの使用を意識したセッティングと言えるだろう。 デザインに関しては、キャストアキュラシーを向上させる意図で設けられたスタビライザーのせいもあって、クランクベイトライクなボリュームになっているが、これが無かったと考えると、かなりスリムなフォルムである。エラ周りの造形にはかなり気合が入っており、意匠上の注目点である。
○実行性能分析 当初、DEEP-X100と同じくらいのリトリーブスピードで使用していたところ、あまり結果が出なかったのだが、よくよく解説書を読むと『スロームービング』が肝であると明記されており、素直にそれに従ったところ、よく結果を出すようになった。 アクションはナチュラル寄りなのに、ラトルサウンドはそれに反するようなセッティングなので、もっとゴトゴト系の方が良いのでないか、と考えたこともあったが、最近はストラクチャーに接触させることによって、サウンドにメリハリが生まれよい効果が出るのではないか、と解釈している。 さらに意図的にサウンドのメリハリを企図するために、ハングオフカッティングで用いたところ、これが案外嵌まり、良い結果が出た。実は現在釣ったバスの過半数はハングオフによるものである。 ボトムの状態によってはリップに設けられたホールがゴミを集めてしまうので、運用に難が生じるが、そのような場合は、さっさとスピナーベイトのスローな釣りに移行することにしている。根がかりが特に多発するという事もない。特段、欠点として挙げるような部分もなく、よくまとまっているルアーである。
○総括 スロームービングベイトとして、DEEP-Xとはまた違った切り口から設計されている良作である。幅広いアクションパターンを持つルアーではないが、うまく嵌まると爆発力を発揮する(厳しい状況下で3連発など)。ここまで期待通りまずまずの活躍をしてくれているので、評価は★5つにする。
Megabassユーザー以外へのお勧め度★★★ |