はぜさん |
カルカッタ コンクエストDC 200DC/201DC |
- | 2004/11/09 |
- | ★★★★★ |
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200を主にラグゼノーム666にセットして愛用中。ラインはスーパーGT-R20LBを巻いている。ラインはスプールに馴染み易いものが合うと思う。 1/4〜1/2オンス辺りまでのルアーをメインに使用(この辺りが一番投げ易い)。 ブザービーターをMIN一つ手前でフルキャストした時に目測40mくらいが最大飛距離。もっともこれは限界飛距離なので、ブレーキを中央一つ下にして35mくらいで通常使用。SRミニ1/4オンスは20mくらい。 メカニカルブレーキはスプールががたつく寸前に調整している。 ギヤ比からしてクランクベイト、バイブレーション、スピナーベイトなど巻き物に最適。トップウォーターは忙しくなるためやや不向き。底物も向かない。 |
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優美な曲線と鋭いエッジ、鈍い銀色のボディには銃器に通ずる機能美があり、圧倒的な存在感は正に拳銃の重々しいそれに匹敵する。それでいて円型特有のクラシカルな雰囲気はロッドにセットした時に程良い調和を見せてくれる。デザイン上の完成度は非常に高く、円型リールデザインとしては究極に近いと思う。余談だが、コンクエスト・オリジナルとカラーが金、銀逆だったらオリジナルの方を購入していたかもしれない。 マシンカットボディが生む剛性感、滑らかな巻き心地が物語る緻密な造り込み、明らかに人間工学に配慮されて設計されたと思われるクラッチやハンドルなど、その使用感の快適さと信頼性の高さは正に圧巻。使えば使うほど高い質感が伝わってくるのは良く出来た「道具」に共通する特徴であり、メーカーとしてのシマノ社の確かな姿勢が感じられて好感が持てる。 先進のデジタルコントロールブレーキシステム(DC)が生む圧倒的な飛距離。ブレーキを追い込んだ時の飛びもさる事ながら、特徴的なのはブレーキを強めに掛けても飛距離が落ちない事である。DCをMAXに設定しても最大飛距離の7割ほどの飛距離をキープする。DC同様外部調節式のマグフォースVが少しブレーキを強めただけで飛距離ががた落ちになるのと比べると、この点は使い勝手の面で非常に有利である。 バックラッシュ発生頻度は「ブレーキを強めに掛けた時」に限定すれば非常に低い。前述したようにブレーキを強めても飛距離があまり落ちない事を考慮すると、このリールはそもそもブレーキを強めに掛けて快適に使用するのが本来の使い方なのだろう。 200番台のリールなのに、軽量ルアーが簡単に、しかもかなり遠くに投げられる。これはオカッパリなど一本の竿で様々なルアーをキャストしなければならない場合には本当に大きなアドバンテージになる。 ワンタッチで容易に調節できるブレーキはバーサタイルユースには不可欠である。 ギア比が巻き物に最適である。個人的には巻きスピードが速くなってしまう癖があるので、ローギアのリールは好みである。バスには勿体無いほどのパワーと堅牢なギアもあいまって、引き抵抗の大きなルアーを多投するのに向いていると思う。 キャスト時の音は好み。というより、あの音を聞いていると「DC買って良かったなぁ」と思う(笑)。 DCの実験機という事を感じさせない、ハイエンドモデルというに相応しい高い完成度を持つリール。従来のリールとは一線を画す使用範囲の広さを持っており、バーサタイルな使用を考えているならば強くお勧め出来るリールである。 |
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恐ろしく低い整備性。ベアリングに注油するためだけに3個所のネジを外さなければならない。その内基盤を固定しているネジは非常に小さく、着脱が困難な位置にある。しかも構造上緩むとスプールががたついてしまうためにしっかりと締め込まなければならない。軸受けベアリングが基盤部のコイルの奥にあり、注油し難い上に注し過ぎると基盤故障の原因になる。はっきりいって面倒である。もう少し何とかならなかったのかと思う。 かなりロッドに対する相性がシビアである。今までにトルネード571MLRB、アクシスXT1652R、ラグゼカマー578、ラグゼカマー588、ラグゼノーム666、F4-59TX、F4-70TXにのせて試してみたが、やはりアクシスXT1652R、ラグゼノーム666に一番フィットするようであった(共に長めで硬度Mレギュラーテーパー)。投げ易くバックラッシュもし難い。感覚だが、ルアーの初速が付け易い竿が合うようである。残念な事にグラスロッドにセットすると飛距離がばらつくことから合わない様であった。 DCの特徴として、ルアーが飛び出した瞬間にはあまりブレーキが掛からず糸が弛み、ルアーが飛んでいる途中にスプールの回転が補正されて弛みがとれるという特徴がある(このためにかなりいい加減なキャストでもバックラッシュしないのだが)。このため、ショートキャスト時にはマグに比べてむしろバックラッシュし易い傾向がある。特にショートピッチングはほとんどノーブレーキ状態になってしまう(慣れれば利点に分類しても良い特徴ではある)。また、ルアー飛び出し初期にたるんだ糸がいきなり絡まってしまう事もある。もっとも、この辺りはきちんと基本通りにキャストすれば良いだけの事ではある。 1/2オンスあたりのルアーをキャストした時の最大飛距離はコンクエスト・オリジナルと変わらない。ロッドを複数準備しておけるボートアングラーにはオリジナルの方をお勧めする(値段を気にしないのであればその限りではない)。 キャスト時にエッジが右手に当たって痛い。流血したことさえある(笑)。 言い訳出来ないほど重い。F4-70TXにセットして1日振り倒すと肩が痛くなる。また、ラグゼノーム666でシングルハンドキャストするのも困難である。 長所の項と矛盾するが、もう少しハイギアに設定したほうがよりバーサタイルなリールになった気もする。その意味では100DCの方がバーサタイルかもしれない。 一度、バネ折損のためクラッチが戻らなくなった(メーカー無料修理)。 |
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ブレーキシステム比較
対SVS 糸ふけが出てしまう所、着水間際で伸びを見せる所など、特性は非常に似ている。この辺りはやはり同じシマノ製という所なのであろう。ルアーの撃ち出し初期にバックラッシュするとSVSはそのまま失速するが、DCはそこから補正が入って糸の弛みを取り、弛みがとれるとそこから更に伸びる。この部分を比較すればやはりDCはバックラッシュし難いという事になるのだろう。この特性が特に軽量ルアーキャスト時に、SVSはルアー飛行中かなり繊細なサミングを必要とするのに対し、DCはほとんどサミングが要らないという違いになる。 ブレーキが適正に設定され、キャスト技術があれば、最大飛距離はそれ程はかわらない。ただし、限界キャスト時の快適性はDCの方が明らかに上であると言わなければならない。また、当然ながらブレーキ調節は比較にならないほどDCの方が容易である。
対マグフォースV ルアー撃ち出し初期から着水までブレーキ補正がずっと掛かっているマグは糸ふけが出難い。このため、飛行時のルアーの軌跡がDCとは明らかに異なる。このため、持ち替え初期には着水位置の想定に違和感を生ずる。また、低弾道キャストはマグの方がやり易い。 マグもDCも飛距離はほとんど変らない。ただ、やや強めにブレーキを設定しても飛距離に大きな変化を生じないDCに比べ、マグは掛け過ぎれば飛ばないし、緩めすぎればバックラッシュする。このためマグは、ルアーチェンジ時のブレーキ設定がやや面倒である(飛距離を必要としない場合はその限りではない)。また、軽量ルアーはDCの方が明らかに飛ぶ。 DCは撃ち出し初期に強くブレーキを働かせない事もあってショートキャスト時にはむしろバックラッシュし易い。このため、ショートキャスト時の快適性はマグに一歩譲る。 |