深山烏さん |
ピクシー |
- | 2004/01/31 |
- | ★★★★★ |
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シルバーマイカモデルをデストロイヤーエヴォルジオンF1 1/2-63Xtiにセットして使用。ラインはDUELのX-TEX COBRA(8lb)でセッティング。扱うルアーは3g台あたりからのライトプラグ全般(MegabassのラインナップだとX-55、やSMOLT〜上限はトップだと1/2oz、潜りモノで3/8ozぐらい)、ウルトラライトテキサス、スプリットショットなど。ブレーキは大体ハーフを基準に使う範囲は±3といったところ。但し、状況によっては、メカニカルを相当緩めて、ブレーキを強めにしたりすることもある。 |
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エッジを生かしつつ、流麗さも備えた最新のスポーツクーペを彷彿とさせる近未来的なフォルムと(イメージ的には現行型のセリカのエクステリアデザインが近いか)、3〜5gのライトプラグを安定的に20m前後飛ばすキャスティング性能(グリフォンあたりだと、シングルハンドのスナップキャストで、軽く30m程度飛ぶ)。パーミング性は極めて良好、巻ごこちもしっとりしていて秀逸。ブレーキも細かい調整が利き、キャスティングに際し、風などの影響を受けやすい軽いルアーを扱う際にも即応ができ、非常によい。 |
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以前から、ライトルアー対応リールは、シマノのカルカッタの50番が存在していたが、バスフィッシングを始めた頃の経験から(池でよくバッティングした方がカルカッタの50番を使っていた)、『軽いルアーなんて同じ重さでも、ルアーの形状やフィールドのコンディションで、頻繁にブレーキの微調整が必要になるのだから、遠心ブレーキで扱うべきものではないだろう』という思想を持っていたので(メカニカルブレーキの調整で対応すればいいだろうと言う意見があるかもしれないが、繊細な物を扱う場合においては、べストなキャストのためには、絶対にメカニカルだけではダメだと思う)、以前から、こういうリールの登場を心待ちにしていた。 2003年のフィッシングショーが行われてすぐに発売されたので、少しびっくりしたが、雑誌の発表の時点で、デザインとコンセプトに惚れていたのと、大して高い物も買わないのに、時々サービスしてくれた行きつけのショップに恩を少しでも返したいと思っていたこともあり、すぐに購入した(ちなみに、どーでもいいことだが、大学の卒業記念でもある)。 基本的に、リールフットやブレーキダイヤルの処理などは、既存のTD系のリールデザインを踏襲したデザインであるが、エッジを上手く生かした処理と所々に使われているメタルコートのパーツが上手くマッチして、近未来感を演出していてよい。質感はライバルであり、マシンカットで製作されるカルカッタの50番に一歩譲っているかも知れないが、ロープロデザインのリールの中ではかなり良い方だろう。ハンドルのパーツはプレス品だが、軽さの追及がこのリールのコンセプトの一つであるし、また、あまりこのリールにコテコテしたパーツは似合わないと思うのでかえって良いと思う。 エヴォルジオン・エスパーダにセットして使っているが、重量バランス、機能相性ともに、互いの存在を前提とした専用モデルか?と疑いたくなるくらいマッチしている。ビジュアル面でも、割と派手めなエヴォに対し、シルバーがワンアクセントになって、かえってオレンジアンバーよりもマッチしているかもしれない。リールの重量は決定的に重要でないというのが(飛距離も)、私の持論ではあるが、ロッドと上手くバランスが合った場合におけるリールの軽さの恩恵というのは、見逃せない物があり、シングルハンドキャストでどれだけ振り回してもストレスがなく、スナップキャストで狙ったところにバシバシ決められるというのは、なかなかに爽快である。 あえて、用途のところには書かなかったが、形状にもよるとは思うが、1g台のルアーでも実用レベルでキャスティング可能である。このリールでX-30(S)を扱ってバスを釣ったお馬鹿さんが現にここにいる。こういうことを書くと、わざわざベイトでそんなことやる必要はないだろうと叩かれそうだが、これは、それぐらい軽いルアーのキャスティング性能が高いという例である。X-30は行き過ぎとしても。SMOLTやX-70などのライトミノーを高い精度でキャストできるというのは、非常に大きい。また、ベイトロッドの高い操作性をもって、ライトハードプラグを操れるというのも、大きな利点だろう。解説し始めると止まらないので、詳細は省くが、言いたいことは、シマノのカタログ(2003)で、あるプロが言っているのと同じ事である。 ここまで美辞麗句を並べてきたが、一点だけ心配な点がある。それは、耐久性である。社会人になって、釣りに行く機会も少なくなったので、簡単に壊すようなことはないと思うが、プリスポーン(2003)のでっぷり39cmとゴミ溜りでファイトしたら、強引な抜き上げを敢行したせいもあってか、ややドラグがユルくなった(リール以前にお前が悪い)。もう少しドラグにパワーがあっても良いかもしれない。また、マグネシウムという金属の性質上、このリールを荒っぽく扱うのは御法度だが(ピクシーにマグネシウムが使われているのはメインフレームだけで、ライトサイドはアルミ合金、レフトは樹脂であるが)、不意に傷をつけてしまった場合の腐食も心配である。ピクシー=妖精という名前の指し示すとおり、また、その用途と同様に、リール自体も繊細に扱わなくてはならない。ちなみに、塗装は・・・弱い。コンクリートの上に置いたりするのは厳禁である。
内容一部修正。ver1.01 2004/1/31 |